「~てもいいですか」

 自分の書いた作文を持ってきた学生に「先生、この作文を直してもいいですか」と聞かれることがときどきあります。経験の浅い教師だと、学生の意図が分からず、戸惑うに違いありません。慣れた教師なら、「自分の作文を私に直してほしいんだな」と理解して、「ええ、いいですよ」と、その作文を受け取るでしょう。

 「~てもいいですか」は、自分がしたいと思う行為について相手の意向を聞く場合に使います。ですから、「この作文を直してもいいですか」は「私はこの作文を(自分で)直したいです。いいですか」という意味になります。「この作文を直してください」という意味には決してなりません。

相手に何かを頼みたいときは、「~てもいいですか」ではなくて、はっきりと「~てください」(「この作文を直してください」「ベトナム語で話してください」)と言うか、あるいは、「~てもらってもいいですか」(「この作文を直してもらってもいいですか」「ベトナム語で話してもらってもいいですか」)と言う必要があります。ただ、この「~てもらってもいいですか」は、最近日本の若い人がよく使いますが、違和感を持つ(時に、失礼だと感じる)人も多いです。目上の人や、あまり親しい関係ではない人には、「~てもらってもいいですか」より「~ていただいてもいいですか」の方がずっと丁寧で、いい印象を与えます。

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